感想――『エコエコアザラク ~眼~』Night02「儀式」 | 魔法使いの赤い城

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感想――『エコエコアザラク ~眼~』Night02「儀式」

『エコエコアザラク ~眼~』
Night02「儀式」




2.感想

Night02「儀式」のネタバレあらすじはこちら

このエピソードでは、
黒井ミサがまじめな顔をして
「ペンタクルのタリスマン。呪詛の街にふさわしい」
などとつぶやいた直後、
腹がなって、黒いウサギの形をしたカバン
(ビケちゃん、という名前をつけたらしい)
のせいにしながら、
恥ずかしそうに去っていく、
という演出を行っています。

その直後も、

ハッと何かの気配を感じる演出をしながら、
実は怪しい男に声をかけられるだけという、
ギャップ狙いのシーンが続きます。

そして怪しい男につれられて
移動していくミサの後ろ姿を、
田上が目撃する、というシーンも
挿入されている。

映像学とかを習ったことがあるわけではないんですが、
必要なんですかね、このシーン。
なくても全く支障はないと思うんだけど……。
まあ、あっても害はないか。

まあ田上のシーンはともかく、
ギャップ狙いのシーンは、
正直、ギャグとしてきちんと成立している、
というほどでもありませんねー。
なんとなくおもしろいなー
といった程度の感じかな。

つづいて、薫が"見"ている時には
明示されなかった
"いる"ものの映像が、
由加の眼を通して明示されます。

第一話に出てきた黒い影ではなく、
一見ふつうの老人の映像で、
何かをしきりに叫んでいるのですが
声はきこえず、ネガポジ反転の映像をはさんで、
消えていることで異形のものであることを
表現しています。

老人が何を叫んでいるかはわからない。
何か、怒っているような表情です。
好奇心を刺激されます。

次のサングラスのシーンは、
表現があいまいで、よくわかりませんでした。
サングラスをかけたら、
かけたサングラスから見返された、
とか、そういう風にしか解釈できなかったから
上のように書いたのですが、
もう少し工夫してわかりやすく
怪異を描いてほしかったところです。

が、ジャージ姿の少女の顔に、
無数の小さな"眼"が出てくるシーンは
気持ち悪くてよかったですね。

映像的には、
ふつうの顔の極端なアップ
(+ぎょろっと眼を動かす演出)
に、フォトショップか何かで、
小さい眼の写真を三つ四つ埋め込んだ
だけの映像なんですけど、
一瞬で次のシーンにつなげるところとか、
非常に不気味です。

その前の、老人が何か叫びながら
ネガポジ反転するシーンも一瞬だし、
ビデオで見返すことができるから
これだけ細かく描写できますが、
素直に流れる画面を見ているだけだと、
ものすごく不気味な映像がバッと出てきて
すぐに次の映像に、という流れになり、
その他の、単独で見せられたら
特に不気味とも言えなさそうな映像も、
背筋をぞっとさせる効果を残します。

少ない予算で工夫して作った
効果的な映像なのではないかと
今回細かく見てみて思いました。

そのあとの携帯からきこえてくる
女の笑い声も、
たぶんそれだけをきかされたら、
わざとらしい過剰な演技と
受け止められるような感じでしたが、
前のシーンが利いていて
「うわあ」という感じになります。

由加がびびりながらも、
「いたずら。マジむかつく」と
憮然としたふりをしてつぶやくシーンも、
効果を盛り上げていると思います。

ただ、次のミサが出てくる、
ラルヴァが蠢くシーンは、
あんまり出来はよくないかなー。
合成まるだしの感じがしてしまって……。

で、戻ってきた男が
ミサがいないのに気づいて
「さっきの子は?」と問うシーン。
……は、よくわかりません。
そもそも掃除するだけで五千円、
てのも意味わからない。

あとで出てくる儀式と同じ人物・場所なんだろうか
と思って、よく見比べてみたのですが、
違いますね。
小中千昭がメインのウェブサイトのページを見ても、
スカウトと"仮面男"三人は
別の役者の名前が書いてあるし。

売春とか援交の斡旋とか、
そういうのを表現したかったんですかねー。
都市の異常なモラルとか
そういうのを表現したいのかな、
と何となく推測はするんですけど、
これ以降はそもそもこの
「掃除だけで五千円」に言及が
いっさいないし、何でわざわざ
こんなシーンを挟み込んだのか、
よくわからないです。

ミサが売春に乗るわけもないでしょうが、
原作へのオマージュをたびたび
挟み込む本作におきながら、
原作では、性的な攻撃には
容赦なく残虐な反撃を喰らわす黒井ミサなのに、
このシーンではふつうにラルヴァを追って
怪しい場所から何となく立ち去るという
……改めて書き出してみても、
意味も意義もわからないシーンですねー。

もしかして<以下、今後のネタバレあり>残虐性を
喪失した黒井ミサだから、
こういうシーンに遭遇しても
残虐な反撃に出ず立ち去るだけ、
というような描写をわざとした

<以上ネタバレ>とも考えられないこともないけど、
それだったらそれで、
あまりにも説明不足です。



カラオケボックスのシーン。
由加の肩をつかむ不気味な腕の
映像処理は非常に効果的で、
ぼわーっとおぼろに光る腕だけが
おもむろに由加の背後に出現し、
がしっとつかんでぐいっと引っ張る。

ひきずられるようにして振り向く
由加の一連の動作も、
なんかいかにもあの世に
引きずり込まれそうな感じの雰囲気で、
かなりぞっとする怖いシーンです。

ガラス越しにボックスの部屋を
覗きこむシーンも、
映像的には、杏さゆりと嘉陽愛子のあいだに、
若干青白い顔をした冴えない少女が
すわっているだけではあるんですけど、
制服姿ながら、垢抜けた二人のあいだに
ぼさぼさ髪の赤いジャージの冴えない少女が
はさみ込まれている映像のミスマッチ感が、
逆に不気味さを際立たせていました。

でも、次のサングラスがおいてあるのを
見つけるシーンは、これまたよくわからない。
さっきのヘンなサングラスのことを
思い出させはするけど、
関連がどうとかいうより先に、
まずそのサングラスが何だったか
というのが全く意味不明だし、
それがそこにある意味、というか
つながりも不明で、不気味さも
あまりわいてこない。

いや、あるはずのないものが
あるのは不気味は不気味なんですが、
どうも不気味さよりは唐突感ばかりが
浮かんでくる、というか。
またサングラスから"眼"が
にらみ返すとかあったら、
多少は印象が変わったかもしれませんが、
由加もいぶかしげにサングラスを
凝視するばかりで、
「ぎゃっ」とか叫んで
放り出す、みたいな演出もなかったし。



次のシーン。
こちらも説明不足。
空腹だがお金のないミサに、
怪現象から救ってもらったお礼もかねて、
三人が食事をおごった、という程度には
なんとなくわかるのだが、
ミサが食べ終わっていないのに
三人が立ち去ろうとするのも
なんでだろう、という感じだし、
そのシーンも遠景でしか撮られていないから
よけいわかりづらい。

第三話以降、物語が進むにつれて、
特に恵理とミサとはかなり親密な
関係になっていくのですが、
その取っ掛かりの重要なシーンといえるはずの
このシーンでこの演出……。

三人がミサに不気味さを感じて、
感謝は感謝としてあまり関わりあいになりたくない、
ということなのかな、とも考えられなくもないが、
だったらそれはそれでもうちょっと
わかりやすく表現してもらいたい……。

で、敬語で話そうとする恵理に、
「ミサでいいよ」と馴れなれしいくらいに
砕けた口調で返すミサ。

この能天気な口調も、
非常におもしろくはあるのですが、
やっぱり"黒井ミサ"感を損なう演出、
としか私には思えない。

上野なつひ、という女優さんの
個性がよく出ていると思われ、
非常におもしろくはあるだけに余計……。
物語の一部として考えると、
どうもバランスが悪いと言うか、
物語に設定が溶け込んでいないというか……。

印象には、ものすごく残っているんですが(^_^;)。



で、ここからクライマックスになっていくんですが、
結局、どこかの若い、いかれた男たちが、
汚れた女の魂を浄化するために
何らかの儀式を行っていた、と。

でも、そのやりかたが生半可すぎて、
<以下ネタバレ>生贄の少女は死滅して
ラルヴァと化してさ迷い、
由加にとり憑いていた、
<以上ネタバレ>というような。

なんとなくそのくらいは理解できたというか、
そのくらいしか理解できないというか。

そもそも、ラルヴァラルヴァと私も
当たり前のように繰り返してますが、
言葉として「ラルヴァ」と出てきたのは、
このシーンの黒井ミサのセリフが
初出なんじゃないかな。

一応、第何話だか忘れましたが、
この後にラルヴァは何かと言うのは、
黒井ミサから説明っぽいセリフは
語られるのですけど、
正直、何だかよくわからないけど
特殊な幽霊なのかな、程度の理解しかできないです。
ウェブサイトにもラルヴァがひとつの
重要な鍵であるような説明はあるのですが、
はっきり「何」とは説明されていないと思います。



ですが、このエピソードで、
それ以上に不明な点がひとつ。
由加が赤いジャージの少女に、
何をしたのか、というところ。
二人の間に(というか、由加の方に)、
何か反目めいた因縁があることはわかるものの、
具体的に何があったのかの説明が皆無。

ラスト近くで<以下ネタバレ>「わたしは悪くない」と
取り乱しながら呪文のように由加が
繰り返していたことからして、
少女の死に何か関係のある行為をした
という
<以上ネタバレ>程度にはわかりますが、
あまりにも説明不足過ぎて、
意味不明過ぎます。

雰囲気を見せるだけ、
という手法ももちろん
大いにアリですけど、
物語の受け手に対して
最低限の状況は理解できるよう、
何らかの形で示す必要はあると思うのですが、
この物語のスタッフはそのへんを省略し過ぎ。

で、さらに脱力もののオチが最後に待っていて、
<以下ネタバレ>残虐な殺され方をしたと噂のミッチィが、
実は生きていて、
元気すぎるくらい元気に
<以上ネタバレ>戻ってきたこと。

あー。
……。
いや、あり得ない、とまでは言いませんがね……。
んー。
どうにも、スマートさに欠ける仕掛けというか……。

それに、<以下ネタバレ>田上が聞き込みをしていた
コギャルとかナンパ男とかが語っていた
"ミッチィ"と
みすずや恵理、そして由加の
"友だち"だった"ミッチィ"は、
同じ名前の他人
<以上ネタバレ>だったのか。

よくわからんです。ホントに。



ただ、家出少女のミッチィが、
旅行先で買ってきたおみやげは、
あの子死んだって噂だよと、
あっけらかんと語っていた
似たような境遇の、
いってしまえば行きずりの
顔見知りの少女たちのためだった、
という部分は。

にぎやかな都会の雑踏で、
華やかな格好をして楽しげに
雑談に興じている少女たちの、
境遇としての孤独さ、孤立感を漂わせていて、
一抹の哀感を感じさせる
結末ではあった、とは言えますかね。

私のような親父が、
テレビドラマで描かれた境遇を見て
感じる程度の、哀感ではありますが……。



そしてエピソードの最後、締めは、
黒井ミサの恒例の呪文にて幕。



いろいろ突っ込みまくりましたけど、
このエピソードは第一話ほど
出来が悪い、とは思っていません。

ただ、説明不足、という弱点は
この物語には、というよりは
この物語の製作陣には
致命的にこびりついている
巨大な欠点であると言うことを、
改めて認識できた報告となりました。



本日は以上です。
それでは、また。

Night02「儀式」ネタバレあらすじはこちら

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魔法使いの赤い城へようこそ。青木無常と申します。

主にホラー・ファンタジー系の作品に対する感想を中心に書いていきます。

また、備忘録もかねて、あらすじも記載いたします。
詳細なあらすじになる場合もあり、ネタバレもがんがんしまくりますので、あらかじめご了承願います。

一応ネタバレ部分は
<以下ネタバレ>ネタバレ部分<以上ネタバレ>
のような感じで括って中身の文字色を変えておきます。
必要に応じてドラッグ反転でお読みいただきますよう、お願いいたします。

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