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読書録「パンチ屋」-『東京伝説 狂える街の怖い話』より

読書録─『東京伝説 狂える街の怖い話』より 「パンチ屋」竹書房文庫

 ひさしぶりの更新となりました。
 青木無常です。
 ひきつづき平山夢明の『東京伝説 狂える街の怖い話』から一編、あらすじとレビューをいたします。

 前回分から一話とびますがわざとです。
 飛ばした「家族語」はさしておもしろくなかったので。

 今回の作品は動物愛護家や犬好きのかたには言語道断な内容。
 シリーズ自体が投稿実話ものの体裁ですが、本当にこういう「商売」が存在するのかも正直わからないほどの内容。




 以下、いつもどおりのネタバレあらすじとレビューとなります。
 これもいつもどおりネタバレ部分は色を変えておきますが、自己責任の上、必要に応じてドラッグ反転等でご覧ください。

 「パンチ屋」ネタバレあらすじ


 イラストレーターの主人をはじめとした一家が田舎に居をかまえる
 家のすぐ目の前がゴミ集積場だったが、不動産屋を通して別の場所に移転してもらおうとしても周辺住民は頑として首肯しない。
 中でも、都会にはない特殊な分別。
「犬の日」…

 文字通り犬が収集される。
 物置ほどの大きさのケージに月一回、不要になった犬がつながれ収集車に回収されていく。
 処理場で殺されるのだろうが都会にはない状況にただただ驚嘆するばかりだった。

 そんな田舎暮らしをしているうちに、小学生である息子の様子がおかしくなっていく。
 問い質しても答えないが「パンチ屋」という何かの符牒のような言葉に関係があるらしい。

 そしてある晩、悪夢にうなされる息子の尋常ではない様子に危機感を覚えて学校の先生にも相談してみるが、対応はあまりにもひどかった。

 子ども同士の符牒と詮索しないようにしていた「パンチ屋」に関わることだと思われ、渋る息子に問い質すと「怒らない」という条件つきでしぶしぶ実情を明かす。

 要は<以下ネタバレ>犬の処理をしている人を「パンチ屋」と一帯では呼称しているらしい。



 その犬を処分しているおじいさんのところにいくと、代わりに犬を<潰させて>もらえるのだという。
「袋に詰めて噛んだりできなくしてから大きなカナヅチでボーンとやるの。だからぺちゃんて叩くからパンチ屋…」

 中学生や高校生からは金を取って<潰させて>
いるらしい。

 翌日「パンチ屋」の老人を訪ね、非常識だと抗議するが相手はまったく意に介さない。

 捨てられる犬はおおむね血統書つきの猟犬で血の味を覚えたものばかり。
 飼い主は服のように毎年猟犬を買い換えたり傷ついて役に立たなくなった猟犬を処分しているという。
 山に捨てられ野犬化することを考えればむしろ…という主旨らしい。

 金を取って子どもたちに処理させている不道徳を指摘するが、これも鼻で笑われてしまう。
「あんたは馬鹿じゃないかい。奴らはそれが遊びなんだよ。何も強制してるわけじゃない。奴らはゲーム感覚でやってるんだ。犬は袋に入ってる、絶対に自分は怪我をしない。攻撃だけが一方的にできる。ゲームなんだよ。厭なら来なきゃいい。それに…」

 自分たちが子どものころは金を払ってまでそんな種類の好奇心を満たそうとしたか? と老人に問われ、夫妻は言葉をうしなう。
 自分たちの世代とは、中身がまるで違うのだと「パンチ屋」は
うそぶくのだった。<以上ネタバレ>

 息子がやったことがあるかどうかはきけなかったという。

以上「パンチ屋」ネタバレあらすじ





 動物愛護なんたらが知れば大騒ぎになりそうな内容。
 それ以前に、法律的にこんな「ゴミ収集」や「パンチ屋」なる商売が看過され得るのかが非常に疑問でもある。
 ただ考えるだに、いらなくなったペットの処理はどうするのか、もまた確かに不可解。
 犬猫を飼うのであれば、その死まで看取るのが常識人というものだろうが、常識だけで世界が構成されているのであれば世の中に苦労はない。

 実際「いらなくなった」猛犬などをどうしているのか。

 野犬などというものもとんと噂にすらきかなくなった印象もある。

 遠隔地に車などで運んで捨てる場合もあるのだろうが、それ以外にも案外こういった「処理施設」がどこにでもあるのだろうか。


東京伝説 狂える街の怖い話』より



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また、備忘録もかねて、あらすじも記載いたします。
詳細なあらすじになる場合もあり、ネタバレもがんがんしまくりますので、あらかじめご了承願います。

一応ネタバレ部分は
<以下ネタバレ>ネタバレ部分<以上ネタバレ>
のような感じで括って中身の文字色を変えておきます。
必要に応じてドラッグ反転でお読みいただきますよう、お願いいたします。

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