感想――『エコエコアザラク ~眼~』Night01「呪詛都市」 | 魔法使いの赤い城

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感想――『エコエコアザラク ~眼~』Night01「呪詛都市」


『エコエコアザラク ~眼~』
Night01「呪詛都市」



3.感想

※Night01「呪詛都市」1.前説はこちら
Night01「呪詛都市」2.あらすじはこちら

まず最初のシーン。
何の説明もなく黒井ミサが新宿の街路や雑踏に佇み、
「あたし、なにやってたんだろ」などと
独白するのですが、いきなり
「なにやってたんだろ」と問われても(^_^;)。

すでにこのセリフからして唐突すぎるのですが、
おそらく、1年分の記憶を喪失していたミサが、
この時点で初めて"意識をとり戻し"たことを
示したかったのではないかと思われます。
どう考えても、あまりにも唐突だし、
説明をしないとしても、もう少し工夫が
必要だったのでは、と思います。

また、それに続く探偵のシーンへの
場面転換にも何の説明もなく、
わかりにくさが助長されています。
もっとも、不気味な雰囲気や謎めいた雰囲気を
盛り上げるのには(多少は)
役立っているのかもしれませんが……。

次に、これまた唐突に黒井ミサのシーンに戻ります。
で、このシーンは同時に、
もう一人の重要な登場人物である山中博美の
(さきほどのクローズアップを除けば)
初登場シーンでもあるのですが、
焦点があわない印象が強い、というか、
このシーンで新たに出てきた女性である山中博美が、
ただの通りすがりなのか、
それとも今後物語にかかわってくるのかが、
どうもわかりにくい。

都会の女性の非人間性を単に提示しただけ、
という風にも受けとれてしまう感じで、
かなり微妙なシーンです。

またこの女性がこともなげに捨て去る
あまり可愛くもない黒いウサギのバッグにしても、
のちのち、あるひとつのエピソードに
つながっていくのですが、
それもあまりうまくつながっていない感じ。

webサイトで検索して得た情報によると、
脚本と全体の構成を担当した
小中千昭という人が、このカバンにひとかたならぬ
思い入れを持っているらしい、
ということが判明したのですが、
そんなこと知らんわ、視聴者であるわれわれは。

という感じです。

次のシーンでは、
来栖あつこ演じる女性の不気味さが提示され、
何か重要な人物であるらしき雰囲気がかもし出されます。
この来栖あつこの演技は、
若干わざとらしいというか大げさな感じではあるものの、
内包する異常性をまざまざと見せつける
きわめておもしろい表現のしかたですね。

ちなみに、ここで出てくる、
輪郭のはっきりしない黒い影は
"ラルヴァ"と呼ばれる存在で、
まあ、単なる幽霊のようなもの、
といっても特に間違いではないんですが、
ただまあ設定的にある意味
"特殊"な存在でもあるわけで、
やっぱりここでも説明不足の欠点が
出てしまっています。

この時点で、山中博美の異常性は明示されているものの、
蠢く黒い人間様の物体がなんななのかなー
幽霊なのかなー、程度で、
これが物語全体に関係する"何か"であろうとは、
見当のつけようもない。

また、山中博美が
それを怖れない理由も説明されず、
加えて怖がらないものだから緊迫感も削がれる。
演出としては、どうなんですかね、と思ってしまう。

で、黒井ミサがアサメイを取り出してかまえ、
五芒星を切る、という、
ドラマ全体を通しての見せ場となるシーンに続きます。
こちらのシーンの光学処理・効果音・上野なつひの演技などは、
どれも非常に効果的で、特に凛とした上野の佇まいは、
まさしく黒井ミサのイメージにぴったり。

だが、つづくシーンで、また気が抜けてしまう。

冴えないダメサラリーマン風の若い男に声をかけられて、
こともあろうか、びっくりしてうろたえ、
怯えている雰囲気さえ漂わせる黒井ミサ。

魔術を使っているときと、そうでないときの
ギャップ感を狙っているのでしょうが、
どうもあまり効果的ではない、と、思わざるを得ない。

というより、わかりやすくいうと、
黒井ミサのイメージからは若干離れてしまっている。

原作の漫画では確かにこういう反応も
少なくはないのですが、
どうも上野なつひという女優の資質なのか、
ギャップ感はさほど強くはなく、違和感ばかりが
残ってしまう印象。

次のシーンでは、山中博美が
あまり売れていないモデルであることがわかるのですが、
今回の物語とのつながりは正直ありません。

重要人物なので、一話で顔見せ、というのは
意図として理解できるのですけど、
どうもうまくつながっていない感が強い。
だからどうすればよかったのか、というのも、
正直な話、私にはわからないんですけど。

いっそ、思い切って山中博美は出さない、
というのも、ひとつの選択肢ではありますね。

全体のバランスから考えると、これも
確かにあまり良策とはいえないんですけれどもね。

次は黒井ミサと冴えない男との再遭遇。
このあたりの描写も、
「記憶がない」という重大な仕掛けに対して、
さして気にもしていない様子の黒井ミサの態度が、
緊迫感を削ぐつくりになってしまっています。

前に会った時は、
突然声をかけられて怯えた風にも見えた黒井ミサが、
今回は全くさばさばとした感じで
普通に受け答えしている状況設定にも
違和感が小さくありません。

もっとも、黒井ミサ自体の性格のおもしろさは、
若干ではあるが感じられます。
この雰囲気は、上野なつひという
女優さん独特のものかもしれませんね。

ただし残念なことに、それも、
あまり物語全体の筋とはリンクしていません。
全体を構成した小中千昭さんや
スタッフの意図としては、
どうも原作の、どこかとぼけた感じのある、
能天気な黒井ミサへのオマージュとして、
こういった演出を行ったのかもしれませんが、
物語的には微妙なんですよね。

ただ、上野なつひさんのキャラとしては、
見てて非常におもしろいので、
このあたりの不整合も、かゆい。

そしていよいよ山中博美が、
その<以下ネタバレ>"邪眼"の力を発揮するシーン。

このシーンも、説明不足といえば説明不足かも。
ただ、何となく、超能力のようなものを
山中博美が持っていて、
そのせいでストーカーっぽいカメラマンが死亡する、
という流れは何となく理解できます。

ただ、どうも唐突にシーンを眼前に放りだされる感じで、
たとえば「昔からそうだった、わたしがにらむと人が死ぬ」
とか、そういうセリフが入っていればわかり安かったかも、
という
<以上ネタバレ>感じはしなくもないですね。
全体の出来がよければ、特に文句をつけるほどの
説明不足でもないんですが。

というより、この作品のスタッフは、
その手の説明を忌避しているのか、
あえて映像だけで表現しようとしている雰囲気はあります。

もちろん、効果はあるのですけれども、
最後までこの調子で説明されない設定が多すぎるため、
一見さんの理解を拒むつくりに
なってしまっている感は、否めない。

つづく公園のシーンも、やっぱりきわめて唐突。
どもりながら援交をにおわせる冴えない男。
しかも、この男は昼ひなかに再度、姿を現している。

別に陽光の元に<以下ネタバレ>死者が現れてはいけない
という決まりももちろんないわけだけど、
雰囲気は著しく削がれることも間違いありません。

まして、直前までサラリーマンであることの愚痴を
情けない感じでたれていた男が、
恐るべき自殺事件を巻き起こした呪術の
行使者であったと明かされても……。

唐突であるばかりでなく、
非常に気の抜ける開示のしかたですらあります。

もっとも、そんな冴えない男が、
ネットで見つけただけで呪術が使えてしまう、
という点は、物語全体への布石であることも含めて、
確かに不気味といえば不気味と
言えなくもないといえば言えなくもないんですが……。

で「おまえはもう死んでいる」などと
告げられた男の反応が「なんかヘンだと思ったんだよ」。
いや、あの……。
苦笑しか出てこないです。
この期に及んでも、この冴えない男は
まるで幽霊らしい佇まいを見せず、
まるっきり"冴えない男"のまんま。

さらに「地獄にいくなんていやだなあ」と
つぶやく男に、ミサは「生きることにすら
執着できなかった」から、無になるだけ、
という、これまた実に気の抜けるセリフ。

さらにそれに答える男のセリフが、
「なら、いいや」
まあ、劇中ではそれほど能天気な
いいかたをしているわけではなく、
どちらかというとあきらめたような
セリフまわしではあるのですけれども……。

人を呪殺した
<以上ネタバレ>代償がこの程度と提示されても、
正直な話、緊迫感もカタストロフも、
いっさいわいてきません。

で、次のシーンは、ちょっと気に入ってます。
呪文をとなえ、五芒星を切るミサ。
切り終わると同時に、
斜め後ろを電車が走り過ぎていきます。
偶然撮れたシーンなのかも知れませんが、
このタイミングがなかなかいい。

でも、いいのはここまで(^_^;)。
冴えない男は<以下ネタバレ>ゆらめきながら
消えていくのですが、
この男がフレームに入るだけで
画面に"冴えない感"があふれ出してきてしまいます。
役柄にはぴったりあった配役なのでしょうが、
どうもやっぱり、つかみの役目を果たすべき
第一話にはふさわしくない。
ミスキャスト、というよりは、
脚本の配置のしかたの失敗、
といってしまってもよいのではないでしょうか。

"冴えない一介のサラリーマンが、
簡単にひとを呪い殺す
<以上ネタバレ>ことが
できてしまう"という背景を説明するためには、
確かに必要なエピソードではあります。

また黒井ミサをほぼ単独で活躍させるには、
確かに適度な内容の話ではあるでしょう。

でも、つかみとして弱すぎるという点で、
この第一話はおおむね失敗作だ、
というのが、私の結論です。

で、まあ、フォローではありませんが(^_^;)。
このあとのシーンで、
立ち去っていく黒井ミサがとなえる
おなじみの呪文。

この呪文の発音のしかたが、
これまで映像化されてきた
『エコエコアザラク』とは全く違う感じで、
第一話におけるもっとも見ごたえのある
シーン、といえると思います。

いや、もちろん、第一話の出来の悪さに対する
皮肉でも、あるんですがね(^_^;)。

最後、ラストで、田上がつぶやく、
「今の子、どっかで――」というセリフ。

このセリフの意味は、
のちのち明かされるわけですが、
やっぱり今回のエピソードとは
関係ないっちゃ、関係ないな。
ま、でも、ヒキとしては、効果的、と
いってもいいかもしれません。

以上、Night1「呪詛都市」への感想でありました。

ではまた。



Night01「呪詛都市」
1.前説(主題歌から入る第二の理由と、なぜそれを昨日書かなかったのか)
2.ネタバレあらすじ
3.感想


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主にホラー・ファンタジー系の作品に対する感想を中心に書いていきます。

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詳細なあらすじになる場合もあり、ネタバレもがんがんしまくりますので、あらかじめご了承願います。

一応ネタバレ部分は
<以下ネタバレ>ネタバレ部分<以上ネタバレ>
のような感じで括って中身の文字色を変えておきます。
必要に応じてドラッグ反転でお読みいただきますよう、お願いいたします。

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